非誘導型抵抗器
非誘導性抵抗器は、インダクタンスを最小限に抑えたり排除したりしながら、正確な抵抗値を維持するために設計された特殊な電子部品です。従来の抵抗器とは異なり、これらの部品は磁場を打ち消す独特な巻線パターンで構成されており、効果的にインダクタンスの発生を防ぎます。構造としては通常、バイフィラ巻線技術が用いられ、導線を折り返して巻くことで互いに逆向きの磁場を発生させ、それらを中和させるものです。この設計は、寄生インダクタンスによる影響が問題となる高周波回路や精密測定機器など、純粋な抵抗が要求される用途において極めて重要です。非誘導性抵抗器の技術は進化を遂げ、巻線型から薄膜型まで、さまざまな材料や製造方法が取り入れられるようになりました。これらの抵抗器は電流の急激な変化が起こる用途に特に適しており、誘導性部品に典型的に見られる電圧のスパイクを発生させません。一般的な用途には、RF回路、試験装置、電源装置、および正確な抵抗値が不可欠な高周波電子システムが含まれます。インダクタンスが存在しないため、これらの抵抗器は精密な電流測定、高速応答、および周波数の変動にわたる安定した性能が求められる場面で特に価値があります。